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家づくりの想いを綴る タガハウスのブログ

2013年6月

2013.06.21建築オタクの生き甲斐(工務店のおやじの生き様)

今年の4月でこの世界に入って45年になり、工務店を開業して40年に成りました。随分と色々な建物と出会ってきました。沢山のお客様に出会ってきました。一軒々が真剣勝負で向き合ってきました。

45年前の建築事情は建材が全盛期で色々な材料が出回って来ていました。

私も何の疑いも持たずに建材を多用していました。安くて、便利で、綺麗で、

何もデザインを考えずに何を使うかを選べばよかった。乾燥木材の流通は無く、

材木屋は製材した品物を早く売るのが商売で、建築屋は狂うのが嫌で建材を使い、施主も建材の見掛けだけの美しさにあこがれていた時代です。

 

工務店を開業して5年ぐらい経った頃に、100年ぐらい経った古い住宅の改造工事を請け負いました。大変立派で大きな柱と、梁が交叉していました。

2階の(つし)を若夫婦の住まいに改造する工事でした。設計も気に入って頂き、順調に工事も進み引き渡す頃なって来ました。その頃に

私のその後の人生が変わる経験をする事に成りました。

 

元々大きなお家で大きな部材で出来た内部空間でしたので、改造のデザインも

大きな部材を使用しました。工事も冬期間だったこともあり春先になると目も当てられないくらい隙間が出てきました。

当然施主は怒り心頭でした。100%信用して頂いて気持ちよく工事が進んでいましたが、まさかこの様になるとは思いませんでした。

それまではお座敷に通して頂き打ち合わせも集金も和やかに進んで来ましたが、

最後の集金はお金を下駄箱のカウンターに叩き付けられました。土間に散らばったお金を拾いながら、頭の上の施主の怒りの視線が嫌と言うほど心に刺さりました。今でも昨日のように忘れることが出来ません。

その時悔しくて涙が溢れながら思ったことが私の建築屋としての考え方を変えました。

こんな仕事をしていてはだめだ。

こんな仕事をしていては仕事が貰えなくなってしまう。

良い仕事をしますのでどうかさせて下さいと言って仕事を頂いたのに

逆になってしまった。

こんな仕事に成らないようにするのにはどうしたら良いのだろう

どうしたらお施主様に喜んで貰えるのだろ

沢山のお金を拾いながらそんな自分への悔しさで涙が止まりませんでした。

施主の顔を見ることが出来ませんでした。

(穴があったら入りたい)

そのお客様とは一年ぐらいの手直しの後それきりに成りました。

 

どうしたら良い仕事が出来るのだろう?

ずっと考えていながら暫くの間悩んでいました。

 

1年ぐらい経った時にふと思い付きました。

嘘をつかないでおこう

自分に嘘をつかないでおこう

どこから見られても隠す必要のない自分でいよう

それを経営の理念に持とうと決めました。

しかしそれからが大変な人生が待ちかまえていました。

嘘のない建築って何だろう

嘘のない商売って何だろう

嘘のない人生って何だろう

(嘘をつかないでおこう)と言っていることが嘘になってしまう程難しい事でした。

 

それでももう二度と施主を怒らせてはいけない、裏切っては行けない。

あんな恥ずかしい思いは二度と出来ないと心に誓っていました。

 

意外と問題は単純なのは解っていました。

 

  • 木材  -乾いた材料が有れば良い
  • 建材  -使用しなければ良い
  • 職人  -技術、人格の立派な人に頼めば良い
  • 資金  -銀行に借りれば良い
  • デザイン-自分が勉強すれば良い
  • その他 -全ての足らない事は勉強するか、持っている人に頼めば良い

 

若かったので一歩ずつ長い道のりを重い荷物を担ぎながら邁進して行きました。

 

先ず最初は木材を買って自分で在庫をして乾燥しました。乾くまでは何年か

家具や建具の材料問屋で高い材料を買って使用しました。

建材はビニールやプラスチックで出来た物から極力使用しなくしました。

 

大工さんには苦労をしました。お金儲けに走っている職人ばかりで、なかなか

立派な職人に巡り会えませんでした。本当に困りました。

自分で見習いから育てるしか無いと思い。毎年見習いを入れて育て始めました。

そうこうしていると立派な大工さんに巡り会えるように成りました。

 

資金も銀行が徐々に応援してくれるように成りました。

 

デザインや、その他の足らない事は色々な研究会に所属し勉強したり、

沢山の人との交わりの中で一つずつ補って行きました。

 

 

そんな思いの中でどうにか一定の水準の仕事が出来るように成りました。

商売をして10年ぐらいからとても楽しく仕事が出来るようになりました。

 

最初に書きました(怒らせてしまったお施主様)とは今から10年ぐらい前に偶然出会い仲直りが出来ました。

 

40年の節目になる今年からは新たらしい事に挑戦が始まりました。

福井県全域からのネットによるリフォームの受注活動が始まりました。

お陰様で初年度から大変好評で目標を大きく上回っています。

 

乾燥した材料や自然素材、素晴らしい職人と若いスタッフによる意欲的な仕事が進んでいます。

 

これからのタガハウス

今までは建築を取り巻く環境が大きく変わってもタガハウスは真実により近づいて行こうとして、安直な既製品を建築本体には取り入れて来ませんでした。

その姿勢はこれからも変える事は有りません。

一方でニーズがどんどん変化して来ている事も現実です。又建材や設備機器の中には本物の品物が出てきているのも事実です。

つづく

 

しばらく投稿することが出来ませんでした。夏場は現場の管理や、来年の仕事の設計などに取り組んで忙しい日々を過ごしていました。

これまでの投稿ではタガハウスの創成期からの思いを書くつづってきましたが、これからは未来に向かっての夢と現在のことを書き連ねてまいります。

現在工事中の建物は木造新築住宅が2件、鯖江と池田で進行中です。増改築工事が永平寺で一件、福井市で一件進んでいます。どの建物も80%以上の割合で県産材を使用しています。

県産材を使用する事により色々な補助金や優遇制度が利用できます。

 

一件一件色々と条件が変わりますので、全ての建物を同じように仕上げることは出来ませんが、極力自然素材を使用して作っています。

土と土で作ったもの(瓦やタイル)、石と石で作ったもの(ガラス、磁器製品)、木材と木で作ったもの(和紙クロス、セルロースファイバー断熱材)、

金属と金属で作ったもの(釘、ビス、ボルト、金物、アルミサッシュ、)大きく分けてこの4っの自然素材だけで建築本体を造っています。

 

石油製品に由来する建築材料や内装材料などは全く使用せずに作っています。タガハウスではこれをとても自然に特別の事としてではなく普通にしています。

別の言い方で表現しますと、プラスチックやビニールで出来た物で美しさを表現せずに、自然素材で美しさを表現する為に、日々デザインを追求しています。

つづく

 

 

 

 

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